3つの大原則!!医師・歯科医師が資産形成で失敗しないための運用手法【①長期投資編】

「貯蓄から投資へ」の本当の意味をご存じですか?

政府が「貯蓄から投資へ」というスローガンを2001年に立ち上げから早20年以上が経ちました。

残念ながらこの政府の意向は広く浸透していません。医師・歯科医師の先生方でもご存じない方がほとんどではないでしょうか。

 なぜ私たちに「投資」は必要なのでしょうか。

お金を儲けたいから?答えは違います。

大阪府でご開業の40代内科医M様は「より良い人生をおくるために投資の知識は必要だ」と言われます。

東京都ご勤務医50代外科医H様は「投資は手段であり目的ではない」とおっしゃります。

医師・歯科医師の場合、単純にお金を稼ぎたいのであれば「時間」と「精神」を犠牲すれば「お金」を得ることは可能かもしれません。

休診日を削り診療日を増やす。

休日に他病院(クリニック)に当直・アルバイトを入れる。ただ、それでは意味がありません。

 失敗に終わった「貯蓄から投資へ」というスローガン

「貯蓄から投資へ」のスローガンが出される1年前の2000年度の個人金融資産は総額1,409兆円。日本銀行調査統計局の資金循環統計によると家計の金融資産内訳は、

現金・預金 ・・・ 53.%

債券    ・・・ 3.%

投資信託  ・・・ 2.%

株式    ・・・ 8.%

保険・年金 ・・・ 26.%

その他   ・・・ 5.%

となっています。では20年以上が経過した2021年(第三四半期=12月末)までの期間で「貯蓄から投資へ」のスローガンは我々の金融資産にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。

2021年度(第三四半期=12月末)の個人金融資産総額は1,998兆円と総額500兆円以上も、この20年で増加したことが解ります。

国を挙げて、20年間も「貯蓄から投資へ」と言われているわけですから、現金・預金の比率が減少し、投資信託や株式の比率が増加しているに違いありません。

2021年度(第三四半期=12月末)の金融資産内訳は、

現金・預金 ・・・ 53.%

債券    ・・・ 1.%

投資信託  ・・・ 4.%

株式    ・・・ 10.%

保険・年金 ・・・ 26.%

その他   ・・・ 2.%

2010年代にはNISAiDeCoなど半公的な投資優遇制度が構築された影響もあり、投資信託は2.1%増加、株式も2.3%増加していますが決して政府が思うような成果は上がらなかったと言えるのではないでしょうか。

「投資」と言う言葉に対する誤解と「習慣の無さ」の弊害

欧米諸国と比べても極端にマネーリテラシーが低い日本人。

「働かざる者食うべからず」という言葉があるように、日本では汗水流して得たお金にこそ価値があり、不労でお金を得ることにマイナスのイメージを持つ方もまだまだ非常に多いようです。

これは「投資」と「投機」の意味を混同してしまっている。判然としていない人もいます。

投機とは、将来の価格の変動を予想して、現在(購入価格)との差額を利得する目的で行われる商品や有価証券などの売買(※goo辞書 参照)のことを指します。

これに対して投資とは、利益を見込んで事業・不動産・証券などに資金を投下すること。転じて、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと(※goo辞書 参照)とあります。

 

「投資の場合も値上がり益を求めるのでは?」と言う意見もありますが、たとえば不動産投資であれば家賃収入を継続的に得る事業として投資する、株式投資でたとえると配当目的や企業に対して投資する行為で、株式の値動きに期待して売買する投機では明らかに内容が違います。

投資でも結果的に売買差益・値上がり益を享受することはありますが、それは結果論であり目的ではないのです。

これに対して投機とは、極端な表現をすれば、投機先の如何を問わず値上がり目的や値上がりが期待できれば何にでも資金を投じることと言えるでしょう。

本来、投資とはコツコツと資産形成する手法、投機とは一攫千金を狙う手法と明確な違いがあるにも関わらずリスクばかりが着目され投資と投機が混同されているのが現状です。

このような現状ではいくら政府が「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げたとしても、国民の個人金融資産が投資に向かないことは当然でしょう。

これらのことから2016年政府は「貯蓄から投資へ」ではなく「貯蓄から資産形成へ」とスローガンを変更し「ハイリスクハイリターンの一攫千金イメージ」ではなく「ローリスクロリターンのコツコツとした資産形成イメージ」にスローガンを一新したのです。

では具体的にどのように投資・資産形成を行えば良いのか!?

資産形成における3つの大前提である「①長期投資」「②資産分散」「③ドルコスト平均法」について全3回でお話いたします。

投資・資産形成での3つの大原則!!長期投資で享受できる恩恵は「人類最大の発明」!?

エネルギーの大きさは物質の質量に光速の2乗をかけたものに等しい(E=mc2)ことを発見した20世紀最大の物理学者であるアルベルト・アインシュタイン博士。

博士が1916年に残した言葉が「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。」という言葉です。

単利よりも複利運用の方がなんとなくお得だとご存じの方も多いかと思いますが、この複利こそが資産形成を中長期で行っていく最大メリットです。

複利運用では、投資資金を運用して得た利益を次回以降の運用元金に上乗せし更に運用ができると言う点にあります。

「複利効果」と「運用期間」の効果には重要な関係があり、運用期間が長期になればなるほど複利運用の効果も大きくなる傾向にあります。

仮に複利運用(運用利回り10%)で元本100万円を運用した場合と、同条件で単利運用した場合では10年間で約60万円の差が生まれます。

 10年間の場合  複利運用 259万円(単利運用の約1.3倍)

単利運用 200万円

差額   59万円

そしてこの差額は長期になればなるほど差額は大きくなり、

15年間の場合  複利運用 418万円(単利運用の約1.7倍)

単利運用 250万円

差額   168万円

20年間の場合  複利運用 673万円(単利運用の約2.2倍)

単利運用 300万円

差額   373万円

 時間を味方につけ複利運用を行うことは非常にメリットがあり、大きな恩恵を享受できる可能性を秘めています。アインシュタイン博士にとって複利効果は相対性理論を超える大発見だったのでしょう。このことに気づいた博士は「もっと若い頃から複利運用をやっていれば良かった」と後悔したのかもしれませんね。

複利効果だけではない!!長期投資でリスクをおさえた投資が可能に

少なくとも10年以上の期間をかけて運用することを長期投資といいます。

投資では誰しもが損をしたくないものです。本来の目的が値上がり目的ではないにしろ、安く買って高く売れるに越したことはありません。

しかし、投資における資産価格は様々な理由により値動きします。2008年のリーマンショックやコロナショック直後では国内海外問わず株価は下落しましたし、外貨建ての資産形成であれば為替変動の影響を受けます。

逆に、コロナショック後の2020年度の世界株式市場は非常に好調です。またロシアのウクライナ侵攻ではコモディティ(金・穀物・原油など)が上昇するのではないかと言われています。

投資・資産形成では「買い時」「売り時」を見極めることは非常に複雑で、特に予期せぬ下落のタイミングを事前に見極めることはプロでも困難です。

長期投資の大きなメリットの1つは、この市場動向やマーケット動向から解放されることです。

短期的な期間での投資では市場動向の影響をダイレクトに受けてしまいます。投資している金融商品特有の理由で価格が上下することもあります。

たとえば、2006年~2020年(15年間)の日経平均株価では、

1年(単年)で最も高騰した年は2013年度の+56.72%、下落した年は2008年度の▲42.12%とハイリスクハイリターンとなります。

3年平均では最も高騰した期間は2012年~2014年の+28.93%、下落率では▲18.25%と1年(単年)と比較すると振れ幅が小さくなることがお判りいただけると思います。

2006年~2020年(15年間)平均値では騰落率が5.99%となります。長期間運用することで市場の騰落・価格変動の波が来たとしても、それは一時的な波となり長期的な視点では安定した資産運用に落ち着くことになり、短期での投資はハイリスクハイリターン、長期での投資ではローリスクローリターンの手法ということになります。

長期で投資をすることで重要なことは、市場動向が下落したときでもパニックを起こさず落ち着いて投資を継続することです。その結果、安定したリターンを手に入れることを覚えておきましょう。

まとめ

 「人生で今日が1番若い!」投資・資産形成では時間を味方にすることで「リスクをコントロールする」「安定したリターンを得る」ことに直結することがご理解いただけたかと思います。

運用期間が長ければ長いほど複利運用の恩恵は大きくなります。

また、市場動向に影響されにくい精神的余裕を持った投資を行うことも可能をなります。

とは言え「必要性は感じるが具体的な考え方が解らない!」「何から始めればよいのか解らない!」「自分1人では考えるポイントが解らない!」などのお声もよく耳にします。

 株式会社フィナンシャルマネジメントではこれまで300人以上の医師・歯科医師(勤務医・開業医)のライフプランコンサルを行ってきた実績がございます。また無料相談も実施しておりますのでお気軽にご相談ください。

おすすめの記事