子ども一人に1,000万円とも言われる教育費用。※幼稚園~大学全て公立。
医師・歯科医師の先生方にコンサルティングを行う過程で、特にお子様の大学に掛かる学費については今後の人生設計上でよく上がる議題です。
医師・歯科医師の先生方に対する、お子様の進路に関する意識調査では94%以上の先生方がお子様に大学(6年制・4年制・専門学校含む)に進学してほしいと言うご回答をされました。
ご勤務医のご家庭ではお子様の進路に6年制大学を希望(お子様ご本人が希望されるケース含む)のご夫婦様は約28%と比較的低い割合に対して、ご開業医のご家庭では約58%が6年制大学に進学(お子様のうち一人は)をご希望されてケースが多く、将来の学費プラン計画を事前に持つことはゆとりある人生の第一歩となる事でしょう。
6年制大学の学費一覧をチェック、私立は国公立よりどれくらい高いの?
急激な変化が当たり前となってきた現代社会、あるいは急激な変化が当たり前だからこそ、6年制大学を志望する学生の倍率は高い水準で推移しています。
医療従事者の仕事がなくなることは考えにくいですし、卒業すれば他の業種以上の収入が期待できる業種でもあるからでしょう。
お子様が国公立大学に無事合格された場合は、教育実習費用などがプラスαかかるとしても学費自体(入学費含む)は一般的な国公立大学と大差がないことはご存じの先生方も多いのではないでしょうか。
私立=学費が高いというイメージは、私立6年制大学の学費が高額なことから起因しているのかもしれません。
基本的に多少のばらつきが御座いますが6年間での合計学費は、医学部で3,000万円から4,000万円、歯学部でも2,000万円から3,000万円の学費がかかるということを覚えておいていただくとよいでしょう。
そもそもジュニアNISAの仕組み、ジュニアNISAとは?
ジュニアNISAとはお子様(未成年)のための「少額投資非課税制度」です。
NISA(一般NISA・つみたてNISA)と同じ様には株式、投資信託の売却益、配当への税率を一定の制限の元で非課税(税率0%)とする制度のことです。
令和2年度税制改正大綱(増税や減税、新税の導入などの原案)でジュニアNISAの変更点(改正)がありました。
大きな変更点は3つ。
①利用実績が乏しいため(人気がなかった)投資可能期間の延長はしない。
⇒当初の期限である2023年で終了、新規投資はできない。(一般NISA、つみたてNISAはそれぞれ5年延長)
②2024年以降はいつでも払い出しが可能になった。(ただし一度に全額出金することが条件)
⇒もともとは子供が18歳になるまでは払い出しに制限があった。(デメリットが1つなくなった。)
③ジュニアNISAの終了により、ロールオーバー(移し替え)をすることにより子供が18歳になるまで非課税で保有することができるようになった。
ジュニアNISAで新規投資できるのは2023年までなので、今年(2021年)からスタートした場合では3年分(非課税枠80万円×3年=240万円)しか投資できません。
ただし延長しないことが決まったことにより払い出し制限がなくなり、お子様が18歳になるまで非課税運用できる利用しやすい制度となったのではないでしょうか。
ジュニアNISAは長期投資でリスク・リターンが安定する?子供が何歳までなら始めるべき?
投資でリターンを安定される(リスクを軽減させる)ためには長期間の保有が有効的な手段となります。
よく医師・歯科医師の先生方から・・・「子供が中学生(高校生)なのでジュニアNISAを今更初めても意味がないのか?」というご質問をいただきます。
お子様のご年齢が中学生以上の場合には、投資や資産形成の基本的3原則「長期投資」「分散投資」「毎月投資(ドルコスト平均法)」の1つ「長期投資」が当てはまらない可能性が御座います。
では具体的になぜ「長期投資」を行った方が良いのか米国株式(S&P500)に投資を長期間行ったケースで見ていきましょう。
1950~2017年で米国株式(S&P500)に投資を行った場合の期間と利回りの平均値が下記となります。
1年間の短期投資でのリターンは+52.6%と非常に大きく利益を出した年もあれば、▲37.0%と大きく損失を出した年ありました。
5年間の投資期間ではリターンが+28.6%の利益、リスクである損失は▲2.4%とリターンとリスクの幅が小さくなっていることがわかります。
15年間の長期投資ではリターンの幅が小さくなる傾向にあり最高でも+18.9%、最低でも+4.2%となりどの時期に投資をしても長期間保有することでプラスになることがわかっていただけるかと思います。
リスクが理論上0になる訳では御座いませんし、過去のデータですので未来を保証するものでも御座いませんが、長期間(長期になればばるほど)保有することで平均リターンは安定する傾向にあることを参考にしてみてはいかがでしょうか。
これらの考察よりジュニアNISAの運用期間は短くても5年、理想としては15年以上の運用期間を設けることでより安定した運用を行うことができると言えます。
ただし必ずしも運用期間が15年以上なければ絶対にいけない訳では御座いませんので、お子様のご年齢や年間投資額、進学計画などと相談した上でスタートを考慮していきましょう。
ジュニアNISAお勧め商品、お勧め銘柄は?
①米国株式の投資信託
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している企業の中から代表的な500社(銘柄)を選出した投資信託。
・2020年コロナショック以降、米国市場は非常に好調(S&P500最高値更新)
・米国は先進国の中でも今後も人口が増え続ける。
・テクノロジーもどんどん進んでおり名だたる企業の活躍が期待できる。(我々の日常生活に溶け込んでいる企業が沢山ある。GAFAなど)
※GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)
・手数料(信託報酬)も年0.0968と破格の安さが魅力。
楽天・全米株式インデックス【楽天VTI】
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)より幅広く、小型株を含む米国企業3,500銘柄に投資。
・S&P500と比べて幅広く投資できるがパフォーマンスはそこまで変わらない。
・手数料(信託報酬)も年0.162%と比較的安い。
- VTIとは米国市場に上場する企業を幅広くカバー(約99.5%)しているETF(上場投資信託)です。楽天VTIはVTIに連動した投資信託(楽天証券が商品を作り募集)で異なる商品となります。
②全世界株式の投資信託
「米国株式だけに投資するのはリスクだ!」と感じる先生方は全世界株式の投資信託を検討するのも良いと思います。
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
全世界の株式に幅広く分散投資することが可能。ただし全世界株式に投資したとしても50%以上は米国株に投資することになります。
※米国株式の市場規模は全世界を見ても非常に大きい。
・全世界の先進国・新興国49か国の大型株~中型株、約3,000銘柄へ投資。
・手数料(信託報酬)も年0.1144%と安い。
・eMAXIS Slim全世界株式では「除く日本」もある。
楽天・全米株式インデックス【楽天VT】
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)より幅広く、小型株を含む全世界の約8,000銘柄に投資。
・eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と比べて幅広く投資できるがパフォーマンスはそこまで変わらない。
・手数料(信託報酬)も年0.212%と安い。
まとめ
改正後、2024年以降はいつでも引き出しが可能となり利用しやすくなったジュニアNISA。但し新規投資は2023年迄(終了)しかできません。
お子様が18歳になるまで非課税運用ができることから、長期運用ができる(お子様の年齢から考えて)なら株式100%の投資信託(分散投資)での運用とも相性が良い。
その中でも人気商品としては、米国株式型の投資信託(eMAXIS Slim米国株式や楽天VTI)や全世界株式型の投資信託(eMAXIS Slimオールカントリーや楽天VI)が御座います。
お子様の為(学費など)にジュニアNISAは効果があるのか、非課税枠を有効活用した一般NISAやつみたてNISAはどうなのか。
そもそも資産形成は「目的」ではありません。「目的=ゴール」を達成するための「手段」でしかありません。
まずはご自身やご家族の「目的」を視覚化するライフプランやマネープランをしっかりと作成した上で自分(家族)に合った投資を行うことが必要となってきます。
そしてジュニアNISAだけではなく、公的制度や保険、不動産投資など他の方法と組み合わせて考えることで、労働以外の不労収入(お金に働いてもらう。)や将来の年金をバランス良く構築できるはずです。
株式会社フィナンシャルマネジメントではこれまで300人以上の医師・歯科医師(勤務医・開業医)のライフプランコンサルを行ってきた実績がございます。また無料相談も実施しておりますのでお気軽にご相談ください。