3つの大原則!!医師・歯科医師が資産形成で失敗しないための運用手法【②分散投資編】

お子さんと「お金」の話をしたことはありますか?
「子どもにお金の話なんてとんでもない!」
「お金の話なんてまだ早い!」
「子どもとお金の話なんてしたくない!」
そう考える方も多いかもしれませんね。
2022年4月から高校家庭科で「資産形成」、新たな必修化「公共」では「金融経済」の教育が始まることはご存じだと思います。
金融庁は、株式会社文響社と協力のもと、子どもたちに大人気の「ドリル」とタッグ組み、小学生からお金を楽しく学ぶサイトを2021年3月公開。
また同社協力のもと未就学児~小学校向けの「おかねドリル」など、実は、子どもたちへの「お金の教育」は当たり前の時代に突入しているのです。

近い将来に、お子さんから「お金」について質問されることがあるかもしれませんね。

とはいえ、子どもの頃には「お金」の勉強・知識を教えられていない現役世代・・・
「どのように息子や娘たちに『お金の仕組み』を伝えていけばいいのか解りません。」福岡県50代開業医
「子どもの頃はお小遣いの管理くらいしかしたことがないので伝え方には迷いますね。」東京都40代勤務医

前回記事では、資産形成の3つの原則である「長期投資」について記述しましたが、本記事では2つ目の大原則「分散投資」についてお話ししていきましょう。

卵は1つのカゴに盛るな!「投資の王道」分散投資のメリットとは!?

資産形成の世界には「卵は1つのカゴに盛るな!」という格言があります。
実はこの言葉は、欧米に古くからあることわざ「Don’t put all your eggs in one basket.」を日本語にしたものです。

「卵を1つのカゴに盛った場合、そのカゴを落としたときに全部割れてしまい取り返しがつきません。ただカゴを複数準備して卵を分けておけば、そのうち1つのカゴを落としても他のカゴからヒヨコが生まれ鶏(にわとり)が育つ可能性がある」という意味です。

資産形成ではリターンを得ることも重要ですが、リスクのふれ幅を安定させることが非常に重要です。老後のための資金が予想に反して半分になってしまった・・・という事態は避けたいものです。

予想されるリスクとふれ幅を少なくするテクニックが分散投資であり、ポートフォリオを組んで資産形成を行うということです。

分散投資で押さえておきたいPOINT!!3つの種類とは!?

① 資産や銘柄の分散

分散投資と聞いて多くの方が1番にイメージすることが、異なる資産や銘柄を組み合わせて運用するというものではないでしょうか。

株式投資であれば、A社の株だけではなくB社の株も保有するというイメージです。
A社だけに投資している場合は、A社が倒産してしまった時に資産の全てを失ってしまうまいます。
A社とB社に投資している場合は、損失を出してはしまいますが資産の全てを失う事態を避けることができます。
当然、「AとB」だけではなく「A、B、C、D、E」と、より多くに分散投資を行う方がリスクを抑えることが可能です。

また、銘柄での分散よりも、広義として資産分散を考えるのであれば、「債券」「不動産」「コモディティ」など違う商品での分散投資でリスク分散を検討する方法も有効な手段と言えます。

※ 株式や債券などで、より多くの銘柄を保有することが困難な場合(面倒な場合)は、分散投資をより手軽に行える投資信託をお勧めします。

一般的には株式と債券、株式とコモディティ(金や原油、穀物)などは反対の値動きをすると言われています。

② 国や地域の分散

2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻を受けて、欧米や日本が実施する経済制裁を受け『ロシア・ルーブル』が暴落したことは記憶に新しいでしょう。

ロシアのウクライナ侵攻以前は1ロシア・ルーブル=1.4円~1.6円前後の為替レートで推移していましたが、

2022年2月24日 ・・・ 1ロシア・ルーブル=1.42円
2022年2月26日 ・・・ SWIFTからロシアを排除
2022年3月10日 ・・・ 1ロシア・ルーブル=0.85円  まで急落しました。

仮に資産の全てをロシア・ルーブルで保有していた場合、資産が約60%まで減少したことになります。1億円が6,000万円まで減少したことになりますので、非常に大きな痛手と言えます。

上記、ロシア・ルーブルの急落は極端な例ですが、資産形成において投資するエリア(地域)を分散することはリスクを分散する手段としては非常に有効的です。

投資エリアを大きく分類すると「日本国内」もしくは「海外」、2つのパターンがあります。
更に細かく分類すると「米国」「英国」「中国」といった国ごとや、「欧米」「オセアニア」といったエリアごとにわけることができます。
また、「先進国」や「新興国」などにわけることもできます。

金融のグローバル化により、日本にいながらにして世界各国の資産に投資することが可能となりました。同じ資産の投資でも複数の地域を組み合わせることでリスクを分散することができるのです。

③ 時間の分散

投資をするタイミングを複数回にわけて行うことも有効手段です。
投資でリターン(利益)を得る、またはリスク(損失)を避けるには投資するタイミングが重要です。
ただ、投資商品の価格や収益性は日々変動しています。
「安く買って運用する」が理想ですが、各投資商品のプロフェショナルでもない限りタイミングを見極めることは困難でしょう。
タイミングを見誤ると「高値づかみ」してしまい大きな損失を出してしまうかもしれません。
そこで、一度に大きな資金を投資するのではなく、タイミングを複数回にわけて投資することでリスク分散ができるのです。

具体的な手法としては、長期間(10年以上)毎月(毎回)一定額を投資していく「積立投資」はお勧めです。
この手法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、多くの投資家が活用しているリスク分散の有効な手段となります。

この手法は、マーケット(市場)の値動きを考慮しないで一定額を購入し続ける方法です。
特に長期間(10年以上)継続することで購入価格を平均値に近づける効果があります。
価格が高い時期には少額しか購入できません。 上記図解、2回目、7回目
逆に価格が低い時期に多くの数量を購入することができます。 上記図解、5回目、6回目
その為、購入単価をおさえることができるのです。
また、急な暴落があったとしても価格の低いときに多く購入することで、市場が好調になったときに暴落の際の損失をカバーできるのです。

メリットばかりではない!?分散投資のデメリットと注意点!!

【分散投資のメリット】

① リスク軽減
② 3つの分散(資産・銘柄、地域、時間)を活用することで煩わしい市場(マーケット)同行から解放される。手間・関与度をかけない。 ※ 特に本業がお忙しい医師・歯科医師の先生方には大きなメリットではないでしょうか。

【分散投資のデメリット】

① 大きなリターンを求めづらくなる

卵は1つのカゴに盛るな!!卵を分けておくことは合理的な考え方に見えるでしょう。
しかし、この言葉の本質は「被害を減らす」という点で守りの姿勢を意味する言葉です。

投資で「リターンを求めるならリスクは高くなります(ハイリスク・ハイリターン)し、リスクを抑えるなら必然的にリターンは低くなる(ローリスク・ローリターン)という大原則があります。
つまり、分散投資にはリスクを分散できるメリットがございますが、リターンを分散させるというデメリットがあるのです。

例えば、A社株が高騰して購入当初の2倍になったタイミングで売却した場合では、
1,000万円をA社だけに投資した場合は2,000万円まで資産が増えたことになります。
100万円を10社に分散して投資した場合、A社株だけが高騰したとしても投資額全体の10%にしか過ぎず、その他9社(90%)の株価が変動しなければ100万円しか増えたことになりません。
分散投資をすることは、集中投資で比べてリターンの機会損失をする可能性があるということも十分ご理解ください。

② 資産・銘柄が増えすぎことで管理の煩雑化する可能性もある!?

分散投資では「とりあえず投資先を分散すれば良い」というわけではありません。また、むやみやたらに分散投資を行うことは管理の煩雑化に繋がりかねません。

例えば、
複数の銘柄(商品)に投資をしたけれど、詳しく調べてみると「同業種、同じ職種の企業ばかりだった、分散投資したつもりだったが「同じ市場に影響を受ける商品、同じような値動きをする銘柄だった」といった、分散投資できているようで、できていない状態です。
商品(銘柄)の数だけが増えてしまうことは管理の煩雑化に繋がりかねません。

さらに、株、債券、投資信託などのペーパー資産ばかりに資産が偏っている場合は、不動産などの現物資産に資産を振り分けたいところですが、やはり資産全体の管理方法を考慮するべきでしょう。

資産全体の管理は非常に複雑に思えます。そこで有効的な手段としてライフプラン設計を行うことをお勧めします。

まとめ

3つの分散投資(資産・銘柄、地域、時間)でリスク軽減を行いながら、手間・関与度を掛けずに現役時代は本業に集中する。但し、分散投資に置いてはメリットとデメリットは表裏一体です。

リスクを取ってでもリターン(利益)を求める方、運用期間が短期間しかない方には向いていない(活用するメリットが無い)運用手段となります。

資産全体の管理、煩雑化を防ぐためには人生の基盤となるライフプラン(人生設計)を持っておくことで、投資に人生を振り回されるのではなく、人生をより良くする手段として投資を活用することが可能となります。

「必要性は感じるが具体的な考え方が解らない!」「何から始めればよいのか解らない!」「自分1人では考えるポイントが解らない!」などのお声もよく耳にします。

株式会社フィナンシャルマネジメントではこれまで300人以上の医師・歯科医師(勤務医・開業医)のライフプランコンサルを行ってきた実績がございます。また無料相談も実施しておりますのでお気軽にご相談ください。

おすすめの記事